「…おい、何だ…コレは…」
早速、見つかってしまいました。
南君のコイビト。
途中色々とあったが(猫に追いかけられたり、カラスに攫われそうになったり)(もちろん千石が)、何とか無事に学校へたどり着いた俺と千石(ミニサイズ)は、直ぐさま部室へと向かった。 そこまで考えて、ちょっと凹んだ。
「誰にも会わなくてラッキーだったね!」 「えっと…東方と…あと壇にも妹がいるみたいだな」 「よし!じゃあその2人を当たってみよー!!」 な。と俺が最後まで発する前に、言葉は途切れた。 部室の、扉が開いたのだ。 「亜久津…」 まさか見られていたとは…。普段、部活中も地味なせいで部員に気付いてもらえず苦労しているというのに、何もこんな時だけ気付かれなくても…!
「で?お前は何でいる……ん…」
亜久津がそう言いながら何気なく机の方を見た。まずい。最初に視界に入って来るのは当然オレンジ頭の小さいヤツで。 「お前…」 「いや、ほら、これには事情があってさ!その、なんと言うか…」
何て言えばいいんだ…! 「あぁぁぁあ!それは…」 「…お前、こんな趣味があるんだな…」 今、何て言った?『こんな趣味』とはどんな趣味ですか? 「えっと…」 「別に誰にも言うつもりは無いから安心しろ」 頭がついていかない。要するに、アレか?このオレンジが千石だって事には気付かれて無いのか?まぁ確かに、人が小さくなるなんて考えは普通思い浮かばないだろうけど。 しばらく部室に沈黙が続いた。
「確か…優紀が古い人形用の家具を持っていたが…それで良かったら、いるか?」 「えっ!それは是非!!」 願ってもない言葉に、思わず俺は声を張り上げた。 「テメェだけでは店になんて買いに行けねぇだろ?優紀の使い古しでいいなら、協力してやるよ」 「うんうん、助かるよ!ありがとな!!」 どうせ使わねーから、後は捨てるだけだしな、と言う亜久津が妙に親切過ぎる気がするが、とてもありがたい申し出に俺は浮かれていて特に気にしなかった。
(南変態決定・笑)(2007.3.15up) |