※ユウジがウサギで光が猫の話です。色物注意。
俺は腹を立てていた。
「…なんやねん」 原因は目の前の猫。ヒカルという名のそいつは一週間前にこの家にやってきた。 普段はゲージに入っていて夜しか外に出してもらえない俺と違って、ヒカルは常に家の中を歩き回ることができる。正直かなり羨ましい。俺だって一日中走り回っていたいのに。
だからヒカルのことは気にしない…つもりだったのだが。
「お前の寝床は向こうやろ。さっさとここから…っておいコラ!ここで寝んな!」 こいつはかなり嫌味なヤツだ。 クソッ、俺がウサギやからって馬鹿にしやがって! イライラしながら見ていると、そんな俺を気にも留めていないヒカルが暢気にあくびをした。 「小石川!コイツ何とかせえ!」 どれだけ必死で訴えても、悲しいことに小石川には届かない。 それがあまりにも悔しかったので、後ろ足で地面を強く叩いてやった。
「ヒカルは…またユウジの所か。あいつらホンマに仲ええなあ」
------------------------- うさぎのユウジ先輩(家に来た順番的に)の事が好きでずっと傍にいたい猫のヒカルと、そのヒカルの行動がただの嫌がらせだと思い込んでいるユウジ。 (2010.1.11) |