6.起きないとキスするぞ
「みなみー…あれ?」
特に用事はなかったけど、何となく話がしたくなって部室に戻ってみた。
―いたのだが反応は全く無い。 こちらからは後ろ姿しか見えなかったので南の様子はよく分からない。 「寝てる…?」 自然と小声になりつつそっと顔を覗き込んでみると、予想通り南は眠っていた。
しばらく物珍しいものを見るかのように(実際珍しいのだが)南を見つめていたが、段々とつまらなくなってきた。
「(なんか…さ、)」
寂しい。
名前を呼びながら、目を覚ましてくれないことが悔しくて、半ばヤケクソのようになってきた。
「みーなーみー」
南からの返事はない。
「起きないとキスするよ」
相変わらず南からの反応は全く無かったが、自分で言っておきながら千石は何だか凄く恥ずかしくなってくる。 「う、わ…」 一体何を言っているのだ自分は。
「あ、南。今度の練習試合だが…なんで顔が赤いんだ?」 「い、いや…別に…」 部室に入るなり赤い顔をした南が一人で座っていたので、東方は不思議でしょうがなかったとか。
+++++++ 考えてた以上に乙女チックになってしまいました。 (2009.3.8up) |