例えばテニスをしている時の真剣な顔とか、お笑いライブの時の楽しそうな顔とか、ふとした時に見せる色っぽい顔とか照れた時の真っ赤な顔とか普段のアホっぽい顔とか。 ユウジさんならどんな表情をしてても愛おしいとか思ってるあたり、自分は重症だと思った。
PM11:59
「せや、この前言うとったCDやけど、買うたんで今度貸しますわ」 寝る前にパソコンを弄っていたら、ユウジさんから電話がかかってきた。 ユウジさんとの電話ではいつも会話が尽きない。 喋りながら壁にかかっている時計を見やる。
『せや、誕生日おめでとう』
いつの間にか日にちが変わっとったわ、とユウジさんはさり気なさを装っているが、日付が変わってすぐに祝っている時点でバレバレだ。 「…おおきに。最初に祝ってくれはったんが先輩で嬉しい」 素直にお礼を言うと、しばらくの沈黙のあとに「…おう、」と小さな声が聞こえてきた。 「ユウジさん」 普段はなかなか口に出せないがユウジさんがあまりにも可愛くて思わずそう告げると、さっきよりも長い沈黙の後に「…俺も」とだけ返ってきた。 そんなやり取りをしている内に、声だけでは物足りなくなってきた。 「ユウジさん、会いたい」 会って顔が見たい。直接目を見て「好き」と告げたい。抱きしめて、キス、したい。 こんな夜中に無理だと分かっている。夏休みとは言え明日も部活があるのだ。 「スンマセン、冗談っすわ。明日も早いですし―」 『…ろや』 『絶対起きてろや!』 突然叫んだと思ったらこちらの返事を待たずに電話が切れてしまった。 (え、嘘、ホンマに、) まさか本当に会いに来てくれるとは思ってもいなかった。 ふと、自分の今の状態を思い出した。 そわそわしながら部屋の中を行ったり来たりする。 彼がやってきたらまず何と言おうか。 (どないしよう、) 何だか無茶苦茶緊張する。
(ハァ、俺ホンマにユウジさんの事―)
めっちゃ、好き。
(遅れたけど財前HAPPY BIRTHDAY!!)(2009.7.25) |