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「でな、いきなり叫ぶから何や思たら、学ランの中パジャマやってん!」
雨の勢いは留まる所を知らず、未だに降り続けている。 「うぉ!」 また雷が落ちた。 「なんや先輩…ビビッとるやないですか」 実際ビビッてたのは間違いないのだが、光があまりにも平然としているのが悔しくて、思わず反論の言葉が口から飛び出した。 「むっちゃビビッてますやん」 光はご丁寧に俺の真似をしながらニヤニヤと返してきた。 光の目にはそんなにアホ面に映っているのだろうかと少し複雑になりつつ、再び反論しようと口を開く。
「せやから―――うわっ!」 雲に覆われて真っ暗になっていた空が突然明るくなったと思った次の瞬間、あたり一面に激しい雷鳴が轟いた。
2人の間に沈黙が訪れる。 「…」 「…さすがに今のはビビりますわ」 まだ心臓がバクバク言っている。 ふと、先ほどの雷に驚いたはずみに、ちゃっかり光の手を握っていたことに気づいた。 何だかいたたまれなくなって手を離そうと思ったが、光が特に嫌がる素振りを見せないのをいいことに、もう少しだけ繋いだままでもいいか、と思う事にした。
→ (2009.7.28up) |